僕のSpecial Feast

「ねえ。嬉しいけど、ちょっと腕を緩めてくれない？ひあは君の顔が見たいよ」

また少し間があって、やだ、というつぶやきが聞こえた。まるで子猫の鳴き声のような、その声がもう愛おしい。

「JJたちとご飯行くって嘘のメールを送ってからここに来て料理をしていたの。こっそり作ってひあを驚かせようと思って」

「そうなの？ありがとう、嬉しいよ」

「だけど飛行機が遅れるっていうから、シャワーを浴びてちゃんと着替えてから待っていようと思ってたのに」

君の声に、悔しい気持ちが滲んでる。

「ちょっとだけ横になっただけなのに、眠っちゃうなんて」

「リハーサルやってるじゃないか。君は疲れてるんだよ。ひあはもう、君が来てくれただけで充分嬉しい。ねえ、腕を緩めてくれる？顔が見たい」

今度はちゃんと「いや」が聞こえた。