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指に触れるこの髪の感触が、耳元に聞こえる君の息づかいが、そして身体に伝わる熱が、僕たちの感情の導火線になる。
不意に窓の外がぴかりと光り、雨の音が激しくなった。
不思議だ。嫌だったのに。雨のせいであんなに疲れていたのにね。
今はもう腕の中の君を、1秒たりとも離すことができない。
ごめんね。もう離してやれない。君をも゙う、手放すことができそうにない。
少し身体を離した君が、ゆっくりと僕を見上げる。その重たげな睫毛がふるふると揺れて、君が僕を見つめた。
稲妻の白い光が、君の黒い瞳の中に僕の姿を映し出す。
どこからなら食べていいのだろう。やっぱりこの、ふわふわの唇かな。
僕にとっては、いつも君が最高で極上の、特別なご馳走だよ。
〈END〉
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