僕のSpecial Feast

1/6
前へ
/8ページ
次へ

僕のSpecial Feast

天候の悪化とシステムトラブルとかで飛行機が遅れ、マンションにたどり着いた時にはもう、すっかり陽が暮れていた。 相変わらず雨は降り続いていて、さすがにちょっと気持ちが重い。 彼に送った「明日は午後からイベントだから、会えるのは明後日かな」というコメントには、泣き顔のスタンプがひとつ帰ってきていた。 そのあと「JJたちとご飯行く」という、特に知りたくない情報が送られてきて、「飛行機が遅れてる」という僕のコメントに返信は来ていなかった。 彼は明日もコンサートのリハーサルのはずだから、何とか時間を作り、絶対にこっそりと様子を見に行こうと心に決めて、部屋の鍵を開ける。 ため息とともにリビングに足を踏み入れると、サイドテーブルの小さな灯りが、ソファに眠るもこもこのバスローブ姿を浮かび上がらせていた。 なんてことだろう。天使が眠っている。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加