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きんぴらごぼう。あさりのお味噌汁。キャベツ。トマト。白米。メインは目玉焼きを乗せたハンバーグ。
今回の水曜日は、なんだかいつもよりも豪華だ。
「お腹すいた。姉ちゃん、早く」
弟はすでに食卓についていて、箸を構えている。父も、箸を構えるまでではないが、すでに食卓について、スーツの上着も脱いで準備万端の様子だった。
「はいはい、お待たせしました」
私も急いで席に着く。湯気の漂う、温かいご飯。一週間ぶりの、お母さんの料理。無意識に喉がなった。
誰が合図するわけでもなく、三人、手を合わせた。
「お母さん、いただきます」
私も弟も父も、奥に飾ってある遺影は見ない。母も食卓についているという幻影を、思い思いに見ているのだろう。
今週もこれで、私たちは「家族」でいられる。
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