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ふざけるな!!
"お前"は何様だ!
自分がどれだけ恐ろしいことをしたか、わかってるのか?
大量に人を殺しておきながら、その犯罪を楽しんで呑気に笑ってやがる。
異常だよ。狂ってるよ、お前は!
私はそんな犯罪者を断じて許さない!!
恐怖からか、無言でブルブル震えている依未を抱きしめつつ、怒りが爆発した私は、奴の声がするステージに鋭い視線を向け、きっと睨みつけてやった。
♫ラララ、ラララ、ジングルジングル……♫
奴の声が止まり、今度は聞いたことがある懐かしい曲が流れてきた。
この歌は…そうだ、思い出した。名作アニメ『フランダースの犬』の主題歌、『よあけのみち』ではないか。
こんな時に、なぜ?
明るい曲で歌自体はとても好きだが、今の絶望状態で流すような類では決してないはず。いくらなんでもふざけすぎだ。
これも社会に絶大な恨みを持つ、異常殺人鬼『ケーララの赤い雨』が仕掛けた、挑発的な演出なのだろうか。
「いい加減にしなさいよ!!」
「みらい!?」
私はついに堪忍袋の緒が切れ、歌が流れる最中でも構わず声を張り上げて、怒りをあらわにした。驚いた依未が私を呼んだが、興奮していてそれすら耳に入らなかった。
そして奴の声の方に向けて、探偵のように決意を叫んだ。
「楽しみにしていたサイマーフェスをめちゃくちゃにして、みんなを恐怖のどん底に陥れて……何がそんなに楽しいの?バカじゃないの?
あんた、絶対に許さないから!!私があんたの正体を暴いてみせる!!必ず捕まえてやるわ!覚悟しときなさい!!」
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