疑惑

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刑事が私にもテープの内容を聴くように同意を求めると、奴が出した謎解きとやらが気になる私は元気よく頷いた。その姿を確認した塩見刑事は、テープレコーダーのボタンを押し、録音された犯人の声を流し始めた。 「フハハハハ!!愚鈍な日本国民の諸君、また会えて嬉しいよ。私は『ケーララの赤い雨』だ。さて、先ほどの『サイマーフェス大規模爆破事件』から1時間と少し経つが、その後のキミたちの気分はいかがかな?もはや会場は若い男女の"血の海"と化し、壮絶な状況になってしまったね、フハハハハ。数え切れないほどの死体が、続々と病院に運ばれていってることだろう。そのうちニュースやSNSが大騒ぎしてくると思うから、私はあぐらをかいて気長に待つことにするよ、フハハハハ。キミたちとしては手も足も出ず、さぞ悔しいだろうね。そんな"負け犬"のキミたちに、優しい私からヒントをあげよう。簡単な"数字"の謎解きだよ。これが解けたら、少しは私の正体に近づけるかもね。準備はいいかい?」 相変わらず挑戦的な言い分で、こちらを不愉快にさせてくる。奴の声がそこまで言うと、刑事は今から公開されるであろう謎をメモするため、ノートを開いて右手にペンを持った。 「"" フハハハハ、ちょっと簡単すぎるかな?では健闘を祈る。せいぜい知恵を絞って頑張りたまえ、フハハハハ!!」 何度聞いても不快な笑い声が流れ、録音テープはそこで切れた。 「うーん、何だかよくわからんなあ。まあ奴の言う謎解きってのを、図に表すとこうなるね」 塩見刑事は、自身が書いたメモを私に見せた。 トリプルワン          ↓           〇〇(数字)           ↓      エヌエイチ
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