カタストロフィ

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でももう無理なんだよ。 俺は取り返しのつかないことをした。 何もかもに疲れてしまったんだ。 だから、ここで……。 「ありがとう、桜みらい。親身になって叱ってくれて。泣いてまでくれた君の想いは、目の前を見失っている今の俺にも心に響いたよ。でもな。どうしても自首はできないんだ。警察なんかに捕まって、刑務所で死ぬまで暮らしているような"暇"は、俺にはない。だから"もう一つの方法"で、罪を償おうと思う。こうやってね……」 俺はそう言うと、隠し持っていた切れ味の鋭い"小型ナイフ"を、ズボンの尻ポケットから取り出した。 「燕!?何をするつもりよ!?」 桜みらいが叫び、驚いて俺に近づこうとする。 俺は彼女に奪われる前に、勢いよくナイフを腹の中央に突き刺した。 ドスッ!! 「ぐ、ぐぅ……」 俺はあまりの痛みにうめき声を上げ、口から血を垂らし、よろけた後に地面に倒れた。
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