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生活面では、依未にアドバイスを受けたように、好きなミステリー小説を読んだり、映画鑑賞で涙を流したり、ナツノヨル以外のアーティストの音楽を聴いたりして、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。今月の下旬には、彼女と2人で九州へ女子旅にも行く予定だ。 卑劣な犯罪者である燕を、許せないという気持ちは変わらない。ただ彼を含め、犯罪者の背景には、不幸な家庭環境や思春期のイジメ、孤独など、必ず何かしらの"闇"が潜んでいる。犯罪や自殺を未然に防止するためには、日本社会が山積みにしているそういった課題を、時間をかけて改善していかなければならないはずだ。 このような悲惨な無差別大量殺人を、2度と起こしてはならない。その対策として、私にできることはきっとたくさんある。燕が死を選ぶ直前に私自身が言った、イジメや差別のない"平和な世の中"を創っていけるように。 日本をもっとよりよい国にしていくために、私の長く険しい"旅"は続く。みんなが希望を持てるような、明るい未来へ向かって____。
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