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「こんな所でっていうのはどうもやりにくいな…すまん。プリムローズも嫌だよな。なるべく早く終わらせるつもりだから」
こんなところって言うのはここが神聖な神殿の中だから、私は祭壇の上に寝転んでいて。
どうしてって突っ込みたくなるがこれは夢だ。
生まれたままの姿で横たわっているにもかかわらず寒さすらほとんど感じない。ここは神殿で周りの空間には冷たい空気が漂っているというのに。
だから夢なんだって!
そうでなければ私の脳の神経細胞がおかしくなっているとしか。
「でも、ど、どうしてこんな事に…」
上ずった声で聞く。もちろん顔は天井に向いたままで。本当はあなたとそんな事をするつもりはないと言いたいのにそんな事は言いにくくて。
「どうしてって?…」
言葉は途中で途切れ彼は少し口をとがらせたようだ。
お互いこんな所で裸になって何をやってるんだと言わんばかりに。
彼は確か20代半ばくらい。すこぶる端整な顔立ちで白金の髪色に紫水晶のように美しいの冷たい瞳。
その表情は一切乱れることはなく何を考えているのかわからない。
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