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不気味で近寄りがたい。そんな男がどうして夢の中でこんなことを?
そう簡単なことだ。これは夢なのだ。何でもありでいいじゃない。
何も心配することなどあるはずがない。そうでしょう?
そう自分に言い聞かせる。
久しぶりのストレス発散だと思えばいいだけの事よ。
またしてもせわしく脳内が記憶を繰り寄せた。
「いやなら目を閉じていればいい」
ふっと聞こえた低音の声に思わずはっとする。
「やっぱり、こんなの間違ってるんじゃぁ…」
「いいから黙ってプリムローズ」
男の冷たくて薄い唇がプリムローズの首筋にそっと這わされ指先は肌を滑り始めた。
その感触に あっ!と声が漏れた。
夢なのに…こんな感触が??
そんな風に感じるなんて思ってもいなかった。
もう訳も分からないまま身を任せてしまいなさい。脳内でそんなささやきがした。
「気持ち良かったら声出していいからな」
耳孔の奥でそうささやかれてプリムローズは目をぎゅっと閉じた。
でも…ほんとにいいのかと。
「い、いきなり、そ、そんなところ触るなんて…ずるい」
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