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「いや、だから、そろそろ終わりに……」
「冗談じゃないわよ！ アタシのお腹には貴くんの子供がいるんだよ！」
「えっ！」
沙菜の言葉は、貴弘にとって晴天の霹靂だった。
「ずっと生理が遅れていて、妊娠検査薬を買って使ったら、陽性だったから、今日産科に行ってきたの」
沙菜としては、これを機に結婚をという算段だったのだろう。でも、貴弘にとって沙菜はただのセックスフレンドだった。
実は貴弘には結婚を決めている相手がいるのだ。それは勤めている会社の社長の一人娘の真梨香である。
決して大きな会社ではないけれど、真梨香を射止めれば次期社長の座が狙えることもあって、真梨香に気に入られた貴弘は、その求愛に応えることにしたのだが、残念ながら真梨香は美人とは言い難いビジュアルで、スタイルもゆるキャラのようなこともあって、それがとても不満だった。
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