届くモノ

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「ど、ど、ど、どうしよう。こんなことで、こんなことで人生を終わらせてたまるか」  とにかく何とかしなければならないと思った貴弘は、沙菜の遺体を浴室に運び込むと、大急ぎでホームセンターへと車を走らる。 そして沙菜の遺体をバラバラに解体する為の道具と、それを運ぶためのバッグを買うと、自宅に戻って実行に移し、解体した遺体をバッグに詰めて実家近くの人気のない森にやってきた。  ここには戦時中に防空壕として使われた横穴があって、今は人が入れない様に扉が付けられているけれど、子供の頃にはすでにその扉が壊れていて、中に入ることが出来ていたので、ここに遺体を隠すことにしたのだ。  案の定扉は壊れたままだったので、遺体の入ったバッグをその中に隠し、簡単に扉が開かないように、持参した道具で固定した。  そして今に至っている。
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