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「──この方は、スタイルがいいから、こんなシンプルなドレスが似合うんです……」
なんだか女としての格を見せつけられたような気がする。シンプルなドレスだからこそ体の凹凸がはっきりと判る、自信がなければこんな服は着ないだろう。モデルというだけのことはある、メリハリがありすぎた、このボディでこの顔は、女の陽葵から見ても羨ましくなる。
「んなことねえよ、陽葵もごちゃごちゃしてるより、これくらいのほうがかわいいって」
「……尚登くんは、いろんなフィルター、入りすぎ」
いつもなんでも褒めてくれる尚登だ、自分が素晴らしいと勘違いしてしまう。
「確かに裕子様は数字で見ても驚きます、さらに驚きなのがお子さんをふたり産んだ後でも体型は全く変わっていないんです」
え、と声が出そうなるのを陽葵は抑える、ひとり産むたびに３キロは太ると聞いたことがあるが、間違いなのか。
「相原様がモデルに裕子様を指名された時、さすがに再度の採寸をお願いしました。１年ほどしか経っていませんが、ご婚礼から第一子を産んだ後でしたので……でも全く変わっていませんでした。若さかとは思いますが、おふたり目のご出産後も変わりなくでさすがに驚きました」
「……へえ……」
改めて写真を見る、確かに若い、20代前半……いや、今の自分より判る見えるのは気のせいか。
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