⑦面倒な仲人

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昼間送った写真についての感想だった。コンバットスーツに身を包み尚登とふたりで並んで村上に撮ってもらったものだった。 同じ経理部にいた頃から懇意にしてもらっていた、それを尚登も知っていて既に結婚式に呼ぶメンバーには入れてもらっている。 結婚式について、何の知識がない陽葵は相談、質問させてもらっていた。そんな会話の中で最近サバイバルゲームに連れていかれて、怖いけど楽しいという話もしていた。是非その写真を送れと言われたのだ。 【もっと副社長の写真送って!】【目の保養! 心のオアシス!】【待ち受けにする!】 そんなことは言うが、絶対しないことは知っている。陽葵は笑顔になる。 【ねえねえ】 そのスタンプが直前に来たものだった。 【ドレス、こんなのも陽葵ちゃんに似合いそうだと思った!】 ウェディンドレスやカラードレスの写真が送られてくる。三宅はどんなものが着たいか聞けば、自分は『エンパイヤ』がいいと教えてくれたのだ。どんなものかと聞けばその写真も送ってくれ、以来こんなの見つけたと度々送ってくれるようになった。 そう三宅は陽葵に結婚式のレクチャーはしてくれるが独身である。 結婚式は『高原ウェディング』をしたいそうだ。既に会場も決めていて、そこは挙式が終わると少し離れた披露宴会場まで、新郎新婦は二頭立ての馬車で移動するのがポイントで、王族さながらに道行く人に手を振りたいのだと興奮気味に教えてくれた。
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