①尚登と良

12/14
前へ
/164ページ
次へ
URLも二次元コードがあるわけではない、文字列を打ち込むより名前の検索の方が早かった。相原良太と打ち込めば、すぐに検索結果が出てくる。 「すっげ。有名人じゃん」 飲食店を扱う雑誌に何度か取り上げられてるようだった。そこから見て行けば、市内に幾つかの店舗があるのが判る、飲食店に興味がない尚登でも聞き覚えのある店だった、何度もテレビなどで取り上げられているからだ。 (『Azur(アズール)』、知ってるわ、めっちゃ有名じゃん。そこのオーナーなのか) スクロールをしていけば、名刺にあるURLのホームページがあった。グループ会社としてまとめられているのだ。 (お、京都。へえ、マジの結婚式場、でも、なんで京都なんだ?) 各店舗のコンセプトなどを読みふけっていると、風呂に入っていた陽葵が出てきた。 「お待たせ、尚登くん」 「おう、なあ、良のこと」 言って尚登は陽葵にスマートフォンの画面を見せた、陽葵は濡れた髪を拭いながら身を屈め、それを覗き込む。 「あ、良さんが言ってたところ?」 「そう。なあ、ここでもいいんじゃね? 都内のホテルより見栄えがいい」
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

344人が本棚に入れています
本棚に追加