⑧ブライダルフェアにて

18/22
前へ
/222ページ
次へ
宇野が行きましょうかと促し、ようやく解放された。次に向かったのは美粧室である、その文字を見て陽葵も尚登も納得する、『化粧』の『化ける』ではあまり意味がよくないと使わないのだ。 「お手持ちのかんざしを使いたいそうです」 宇野がふたりを紹介し、菊田から引き継いだ件を伝える。それは話していたのかと、むしろ感心したのは尚登だ。 「当日は白無垢ですか。でしたら洋髪にしてかんざしをすることもできますよ」 ヘアメイクが笑顔で伝える。 「洋髪……そうなんですか?」 不思議そうに聞く陽葵にヘアメイクがカタログを見せてくれた。 「角隠しを使いたいのでしたら髪型は絶対に文金高島田になりますが、綿帽子でしたら洋髪でもいいんです。意外と選択される方は多いですよ」 確かに違和感はなく、おしゃれに見えた。 「文金高島田も新婦様くらいの髪の長さでしたら地毛で結えますので、セットのかんざしを全て使えるはもちろんですが」 「え、こんなに短くていいんですか?」 デコルテにかかるほど、ミディアムロングだ。 「はい、しっかり結えます。ボリュームを出すためにつけ毛はあったほうがいいかもしれません。お色直しがしやすいように半かつらにすることもできますし」 意外だった、平安貴族のようにな長さが必要なのと思っていた。 「全部かつらですとやはり違和感があるんです、イメージはバラエティのコントですかねぇ。なので、むしろそちらをお勧めします」 「かつらや角隠しはサイズの確認が要ります」
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

398人が本棚に入れています
本棚に追加