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「まあ勉強のためにレンタル屋も回るか。さっきもらったカタログに提携のドレスショップが書かれてたし、提携してなくっても覗くくらいさせてくれんだろ」
改めドレスサロンでもらった冊子を開けば、横浜市内にもその店舗はあった。
「ドレスもだな。ドレスはそれこそ作ってもいいぞ。作る時間はあるだろうって宇野さんも言ってたし」
「ドレスかぁ」
情報誌を広げながら、スマートフォンも出して三宅が送ってくれた写真を確認する、それを参考にしよう。
(色から考えないとだわ。何色にしよう、私が似合う色って何色だろう。着たら判るかな。もう尚登くんが好きな色でいいんだけど)
「おお、これいいじゃん」
陽葵の手元を見ていた尚登が声を上げ、画面をタップした。
淡い水色のグラデーションが美しい、プリンセスラインのスカートのドレスだ。王道と言えば王道だが、結婚式のイメージである。
「私も、かわいいなって思った」
三宅も似合うだろうと選んでくれたのだ、カラードレスはこれで決まりでよかった。
「よし、じゃあそれに似たやつ、探しに行くか」
早速行こうとカップに残るコーヒーを飲み干しふたりは店を出る──男が見ていることなど、ふたりは気づかなかった。
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