⑨三宅さくらの恋心

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⑨三宅さくらの恋心

サバイバルゲームのフィールドにやってきた。 メンバーは尚登、陽葵、良と村上、そしてアメリカから戻ってきたジェニーと初参戦の三宅さくらである。 三宅はさすがに3ゲームもやると疲れてしまった、ちょっと休憩と言えば陽葵も一緒にセーフティエリアでお茶を前に座り込む。 「あーづがれだーっ! マジ、限界、足パンパン! 陽葵ちゃん、よくついていけるね!」 テーブルに突っ伏したまま愚痴る三宅に、陽葵は笑顔で答える。 「私も疲れますけど、でも楽しいほうが勝ってるかな」 「若さかのぅ、うらやま。若いと言えば村上さんもよく動けるね、副社長より年上って聞いたよ?」 「慣れかもしませんね、尚登くんよりよく来てるみたいです」 「なるほど。つかその副社長も若いわ、私、既に体力の限界を日々感じているのに」 「尚登くんはああ見えて鍛えてますし」 「へえ、細マッチョ?」 「マッチョというほど筋肉はないような気がします、ごめんなさい、鍛えているといっても筋トレじゃなくて、ほぐす系のです。それに私は比較対象がないのでよく判らないで話してますし」 陽葵は馬鹿正直に話していた、尚登は初めての交際相手である。 「そりゃそうだ」 三宅はにこりと笑う、陽葵はどう見ても男慣れどころか人にも慣れていない、そんな状態ならば交際歴も想像できる。
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