⑨三宅さくらの恋心

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「副社長も村上さんもかっこいいけど、相原さんよ!」 今日会った時に互いの自己紹介をしている。三宅は陽葵の家まで行き、良にピックアップしてもらった。村上はジェニーを連れ尚登が待つ田園調布の家に行き、尚登と荷物を載せてフィールドにやってきた。 そして2チームに分かれて対戦して楽しんでいる、三宅は良とジェニーと同じチームだった。 「もうかっこよすぎてヤバいんだけど! ねえ、聞いて! 私、撃ち尽くしちゃって弾倉変えなきゃって思ったら「交換しよう」って自分の銃を渡してくれて、私の銃を受け取ったら、ジャ! ジャ! ジャ! って弾倉変えて、すぐにパンパンパン! よ!」 擬音で説明しながらその動作をする。腰にあるベルトから空の弾倉を銃から引き抜き、予備の弾倉を取り出し銃に込めたようだ。そしてグリップエンドに左手を添えて連射する、三宅は右手を銃の形にして、それを再現する。 「全部ノールック! めっちゃかっこよかった! 慣れ過ぎじゃない!? マジ惚れてまうやろー! だったんだけど!」 先ほどまでの疲れはどこへやら、嬉しそうに自分の体を抱きしめ身悶えする。 それは何度か一緒にゲームした時も陽葵も感じた、そうとうモデルガンで遊んでやり込んでいると。 陽葵はそれより、別の事が気になった。 「……弾、なくなっちゃった、って三宅さん、口に出しました?」 「え、出してないと思うけど。わかんない、言ったかも。予備の弾倉を出そうとはしてたよ」
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