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「そうなんだけど、こればっかりは言葉で取り繕ってもね。こう言っちゃあなんだけど、いや、尚登や村上さんもそうだと思うけど、やっぱり金持ってると良くも悪くも女は集まってくるじゃん、女に限らずだけど」
確かに、と思わざるを得ない。
「そういうのを排除すんのも疲れねえ? 面倒だから俺は追い払うのはやめたの。短い間でも女のいうこと聞いてれば相手は納得する、あとはきれいにお別れ。って、さくらちゃんの目の前で言っちゃだめだね」
三宅は顔を引きつらせながらも「はあ」と答えた。
「言うても俺だって若い頃は一途だったんだぜ? でも手痛い振られ方してね。その後、うちの家業でのごたごたもあって、俺は絶対結婚とか子ども残そうとかって気持ちにならなくなったし──って、そんなことはどうでもいいや」
凄いことをさらりと言って、笑顔で話を終わらせてしまう。
「どう? 付き合う?」
ニコニコと微笑み言われ、三宅は「いいえ」と答えていた、火遊びの相手はしたくはない。
「──だからね。たったひとりの女を魂かけて愛するやつはすごいと思うよ。尚登とか、真歩とか」
「まなぶ……お友達ですか?」
陽葵が思わず聞けば、良は機嫌よく答える。
「うんそう。これまた美人な奥さんでね。奥さん以外女どころか人間じゃない扱いするような男で」
それはそれで極端だと皆は思った。
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