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「あ、さすがに裕子様の体型のドレスはまず他の方は着られないので、裕子様には仮縫いの状態で着ていただき、撮影後に戻していただいて縫い直します」
それを広告用や、レンタルのカタログに使うのだ。
「そんなに、すごいんですか……」
陽葵はごくりと息を呑んでしまった、ドレスを見れば判るが、普通のサイズにするために縫い直すとは。
「ビスチェタイプですと胸元が浮いてしまいますから困りますし、お腹周りはゆとりを持たせませんと、当日もお食事をなさいますでしょう」
暗に胸が大きく、ウェストが細いのだと言われ陽葵は勝手にショックを受ける。
「撮影時はきれいに着ていただかないといけないので、かなりタイトにしているんです。陽葵さまもジャストフィットのご希望のデザインのドレスが見つかれば、世界一の花嫁となります」
陽葵の気持ちに気づいたわけではないが藤宮は言う。
「さあ、できました」
スケッチブックを切り取り作業台に置いた。
「いかがでしょう、理想のドレスになりましたでしょうか」
オペラモーブ色のドレスを着た女が描かれていた。
藤宮が提案してくれたものが盛り込まれている。Aラインのスカートにボートネックの襟元、そこから続くのはロングスリーブで袖口だけはひらひらとしていた。
その周りには文字も書き込まれている、色の名称や提案しくれたディテールの数々だ。
「わ……本当に、ありがとうございます」
陽葵は受け取り礼を述べたが、
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