②初参戦

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☆ まずは田園調布の尚登の実家へ立ち寄った。荷物は陽葵の家に持ち込もうかと思っていたが、さすがに量が多くて諦めたのだ。 家に入れば尚登の母の希美(のぞみ)がすぐさま出てきた。 「もうなあに? こんな朝早く」 朝の8時前だ、高見沢家でも朝食を終えたところである。 「自分の家だからって、来るって連絡くらい──って、ごめんなさい!」 良の姿を見つけ、慌てて頭を下げた。 「お友達もいるなら、余計に、連絡くらい……っ」 慌てて髪を撫でつけ、服を軽く叩き整えた。一応は社長夫人だ、いつ誰が来ても応対できるよう朝起きれば身支度はきちんとしているが、身構えて出迎えるとのは訳が違う。 「サバゲー行くって言ったろ」 尚登は冷たくあしらい、2階へ続く階段に良を案内し、先導して歩いていく。 「聞いたけど、時間まで聞いてなかったしお友達も一緒だなんて聞いてないし、まあ、陽葵ちゃんも行くのね」 希美に聞かれ、陽葵は可愛らしい声ではいと答えていた。 「突然申し訳ありません」 良は希美の前で足を止め、きちんと頭を下げて挨拶をした。 「相原と申します、今日は尚登さんの招待を受けて楽しみで参りました」
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