②初参戦

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「相原良太さん、オーナーとして飲食店とか結婚式場とか経営してる。お袋たちも知ってんじゃないの? 横浜駅の『Strawberry Moon』ってカフェとか、新山下の『Azur(アズール)』ってアジアンレストランとか」 尚登が紹介すれば、希美はまあと言って手を叩いた。 「『Azur』は伺ったことがありますわ、まあ、凄い!」 ママ友たちとだ、元は倉庫だった場所を改装した巨大なレストランは十分繁盛して見えた。 仁志もおおと感嘆し、握手を求める。 「お若いのに、素晴らしい」 尚登より年下と見えた、現に5歳若い。 「済みません、今日はバカンスですので名刺などはもっていなくて」 服装はいつものどおりのスリーピースだが、さすがにホルスターも置いてきた、もちろん本来収まる銃も。 「仕事は気の向くままにやっていますが、たまたま波に乗れたようです」 良は謙遜する。 「いやいや、その経営への熱意をぜひ尚登にも伝授していただきたい、隙あらば責務から逃げようとしますので」 言われて尚登はけ、と毒気づく。 「おお、結婚式場の経営もされているんですか。尚登たちも世話になろうか」
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