②初参戦

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「ふうん、まあ慣れかねえ、俺には無理。ええっと、シャツとスラックスと……って、試着する?」 「陽葵さんに見られながら?」 冗談でもほんのりと頬を染め、その頬を両手で隠しながらの言葉に陽葵も恥ずかしくなる。 「いや、そこまでの変態行為は許さないけど──まあ、サイズは問題ないべ。試着ついでに着てたまま行ってもいいけど、どうせ泥だらけになって向こうで着替えるから今の服のまま行けばいい」 サイズや内容などの確認はしていないだろうと思うほど、尚登はポンポンと適当に衣服や装備を放り出していく。 「どの鞄に入れる? これでいい?」 「んー? ああ、悪い、頼む」 特に専用のものがあるわけではなかった、陽葵が示したボストンバックに入れてくれるよう頼む。 「良は銃を選んでて。5、6個はあるといいかな」 ガンロッカーを開ければライフルが見えた、その隣の棚に積み上げられたプラスチック製のケースにはハンドガンが収められている。 「陽葵もやるか? 銃、選んでいいぞ」 「ええー、私はいいよぉ」 銃で撃ちあうなど、恐怖でしかない。 「一度くらい参加してみたら? 恋人がどんな趣味で楽しんでるか、体験しておくのもいいよ」 良に優しく言われたが、陽葵は「でも」と声が出てしまう。
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