②初参戦

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「姫プで楽しめばいい、尚登と俺で守るから」 「ひめぷ?」 「仲間に守ってもらいながらやるゲームの事、たくさん人がいれば盾にもなってもらって、とりあえずゴールを目指す感じかな」 陽葵がふうんと感心し声を上げれば、尚登は吹き出すように笑った。 「そんな言葉まで知ってるって、相当やり込んでる?」 「だからやってないって。ゲーム用語でしょ」 オンラインゲームで使われる言葉だ。 「銃は? 手持ちのも持ってきた? 見せろよ」 「持って来てない、あれは観賞用」 「またまたー」 しかし持って来ていないのは本当だと判る、それもいつかは見せてもらえるかと尚登は追及はしなかったが。 良が銃を手に取るのを見ていた。マガジンを引き抜いて戻し、床に向けて照準を合わせるような仕草を見てやはり慣れているのだと判る、一瞬見せた真剣な瞳も。 「へえ、よくできてるな」 良は感心する。マガジン装填の感触といい、安全装置の外し心地やトリガーの強さと言い本物に近い、十分楽しめそうだ。 「いいだろ、どんどん選んで」 「尚登のお気に入りもあんじゃないの?」 「あるけど、大丈夫。なんなら現地で新製品レンタルする時もあるし」 不慣れな銃でプレーするのも時に楽しい。 「向こう行けば試し打ちもできるから、そこからまた選べばいい」 「そうする」 無邪気な尚登に答え、良は手近な銃を手にする。尚登は準備をしながらも発射の機構など丁寧に説明していた。
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