②初参戦

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☆ 車で一路、県央部にあるサバイバルゲーム施設へと向かう。県内では最大クラスで、家からも近いことから尚登のお気に入りの施設である。 規模も大きいおかげか設備もしっかりしていた。仮設ではない更衣室やトイレなどは清潔感があり、男女問わず安心して使える。 その更衣室の建物から尚登と良が連れだって出てくれば、わ、ともきゃあ、ともつかない女性の声が上がった。 身長差は5センチほど良の方が高い。それでも十分尚登の持ち物の装備の着丈は足りていた、良の方が細身だからだろうか。さすがにブーツは施設のレンタル品を借りたが、その見た目は全て借り物とは思えないほどしっくりしていた。 ふたりで談笑しながらセーフティエリアを歩いていると、 「高見沢さーん、そちらは……?」 見知った女性のグループが下目使いで声をかけてきた。 「ああ、友達の──」 「相原です、よろしく」 良が営業スマイルで自己紹介すれば、とりまく女性陣は目を輝かせて互いの顔を見合わせた。 「あれぇ、どこかでお会いしたことがあるような……」 そのうちのひとりが声を上げ、頬を指で叩きながら思案する。
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