②初参戦

12/44
前へ
/168ページ
次へ
陽葵の不安は尚登にも判る、だからこそ知人でありサバイバルゲームにも慣れたジェニー──ジェニファー・サンチェスの協力を得ようとしたが、ジェニーはアメリカに帰るという。 唐突に日本へ行き、しかも帰化までしようとしてることが親にバレしまったのだ。電話で話がつかないため直接会って説得しなくてはいうのでは理解するしかなかった。というより帰化なんかしなくていいんじゃないと言いたかったが、それには口を噤んだ。 「んじゃ、まずは試し撃ちに行こう」 フロント棟の脇にあるシューティングレンジへ陽葵と良を案内する、行けば専門のスタッフが笑顔で出迎えてくれた。 初心者ふたりだ、陽葵には尚登がついた、スタッフは良をいざなう──特段教わらなくても思うが、良は断ったりはしない。 「安全装置はここ、フィールドに入るまでは外すなよ、プロテクターなしで当たると痛いからな」 尚登の説明に陽葵は頷く、場合によっては歯に当たって折れるとも聞いていたからだ。 「反動の少ない銃だ、あの的狙って撃ってみ」
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

348人が本棚に入れています
本棚に追加