①尚登と良

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盛り上がる男たちの会話に、間に座る陽葵とあかねはやや身を小さくした。もっとも尚登も良も日本男児の平均身長からはかなり高い方だ、陽葵たちが気を遣わなくても尚登たちはその頭上で目を合わせて会話ができていた。 「あはは、それは俺もだ。銃はいくつか持ってんの? 今度見せてよ」 「いやいや1丁だけだよ。こだわったものじゃないし、見せるほどのものじゃないな」 実際には2丁の拳銃だ。モデルガンすら見たことがないものなら見分けはつかないかもしれないが、これほど目を輝かせて見せろというような男子に見せれば本物と看破されてしまうかもしれない。弾ならまだしも銃本体の本物の所持を知られるわけにはいかない。 「尚登は、いくつか持ってんの?」 静かにはぐらかした。 「あるよー、20丁くらい」 「いや、ありすぎ」 嬉しそうに言う尚登に、良も笑顔で答える。 「やっぱやってるとさ、状況に応じて欲しくなんだよね。単純に長距離と近距離用とか。装填数も違うし、ガスとか電気とかエアコキとか」
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