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良は尚登に体を寄せ顔まで近づける、女性たちはきゃあきゃあと声を上げていた。それにさらにサービスしようというのか、今度は尚登の肩に腕を乗せ見栄を切る、尚登すら決めた表情を見せるのは、いっぱしのモデルだった。カメラを意識した笑顔や、すました顔など、完全に慣れた様子なのはふたりともだ。
鳴り響くシャッター音の中、声がする。
「高見沢さん、お待たせー」
背後からの声に尚登は振り返る。施設のスタッフが笑顔で手を振っている、その脇にはコンバットスーツに身を包んだ陽葵が恥ずかし気に立っていた。
「お、いいねえ、似合う、かわいいかわいい」
尚登は取り囲む女性たちには見せない笑顔で迎えた、陽葵は余計に恥ずかしくなる。自分で見ても着させられた感が拭えないのに褒められてしまった。
陽葵の後ろには施設のスタッフがいる。
「ありがとうございました、助かりました」
尚登が最上の笑顔で礼を述べれば女性スタッフは笑顔でいえいえと答え、仕事に戻っていく。
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