②初参戦

19/44
前へ
/173ページ
次へ
むしろ重過ぎて狙いが定まらなかった、反動で腕が痺れたことすら懐かしい。 陽葵はトリガーに指をかけたまま動けない。 「うううー」 「そこまで硬くないだろ」 背後に立つ尚登が呆れ気味に言う。 「だって、水鉄砲だっていうならまだしも」 出てくるのは当たると痛いと言われるBB弾だ。 「まずは一発、撃ってみな」 尚登に言われても動けない、すると背後から尚登の手が陽葵の手を包み、代わりにトリガーを引いた。 「──わぁ……」 陽葵は声を上げた、銃の発射よりも尚登の手のぬくもりの方が嬉しかった。 「ほれ、今度は自分で。当るか当たらないかは二の次だから」 「うん」 尚登に手を支えられたまま、陽葵はその動作を行う。その間にも良のブースからはリズミカルに弾が発射されるのを感じていた。 ☆ フィールドは2種類、山の斜面を活用した野戦と、鉄パイプと鉄板やベニヤ板で作られた市街戦を模したエリアだ。 今回は市街戦での参戦となる、レギュレーションも終えて参加者がフィールドに散っていく。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加