②初参戦

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☆ 3分余りが経った頃、相手チームの全滅で終了のサイレンが鳴る。 「(はっや)」 尚登が思わず声を上げる、未経験の速さだ。 「よかったね、陽葵さん、早く終わって」 良が気にして声をかけたが、その声が女性たちの歓声に掻き消される。 「きゃあ、すごーい!」 「かっこいいんだけどぉ! 二人ともぉ!」 プレー中は静かに見ていた女性陣がやっと声を出せると言わんばかりに感想を叫ぶ、良は笑顔で銃まで掲げて答えるが、尚登は呆れて陽葵の肩を抱きフィールドを出て行く。 「最後までよく残ったな」 尚登に褒められ、陽葵は恥ずかしそうに微笑む。 「言われるがままについていっただけだもん。ずっと尚登くんの陰にいたし、相原さんも助けてくれたから」 そんな陽葵をさらに強く抱き寄せ、髪に頬をこすりつける。 「それでもよくついてきた、えらいえらい」 当初の怖がり具合では途中で足が竦んでしまうのでは思ったが、きちんと尚登を見て良の指示に従っていただけでも立派ではないか。 「いやあ、しかしマジすげー、この短時間で敵は全滅ってないぜ」
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