①尚登と良

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ガス、電気、エアはエアーソフトガンの弾を発射する時の方式だ。それぞれにメリット、デメリットがあり、フィールドによっては使える銃器の制限もあるため余程気に入った固定の銃やフィールドがない限りはいくつか揃えるのが一般的だ。 「新製品が出れば欲しくなるし、いいと言われれば欲しくなるし、いくつかないと唐突に不調になったりもするから、戦闘中に丸腰になるのも困るしなんて言い訳して」 「確かに」 不調になるのは本物も変わらない、そうならないためのメンテナンスは必須だ。ましてや良はリアルで命を危険にさらしている──腋下にリボルバー、腰には自動拳銃と2丁の拳銃で保険としている。 「良は1丁だけか。えーせっかくだから、マジでフィールド行こう、いつにする?」 尚登は言いながらカウンターテーブルに伏せていたスマートフォンを持ち上げ起動させた、スケージュールの確認である。 「良こだわりの銃、見たいし」 「だからこだわってねえって」 ひとつ嘘をつけば重ねて嘘をつくことになる──たとえ本当のことを言ってはいけないとしてもだ。
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