②初参戦

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「なんだよ、そんなこと考えながらゲームしてたのかよ。あーでもイベント会社もやってんだっけ?」 ホームページに書き込まれていた。町全体を巻き込み、謎解きスタンプラリーや、鬼ごっこなど、かなり大掛かりにやっているようだ。 「実は閉校した学校とか廃ビルとか、もっというと心霊スポット扱いされてるホテルとか病院とか、なんとかしてほしいって相談もあんのよ──って、タバコ吸ってもいいかな」 尚登はどうぞと言う前に見た、自分はいいが陽葵はどうなのか、だが陽葵もどうぞと答える。 近頃は居酒屋でも分煙は進んでいるが、『よろずや』ではどこでも吸えた、灰皿はないので頼めばすぐに持って来てくれる。 取り出したのは加熱式たばこだ。以前は紙巻きたばこを吸っていたが、ともかく周囲からの圧力が強く、代わりがあるならと諦めたのだ。全くニオイが出ないわけではないが、少しは罪悪感が薄まるのは事実だ。慣れた手つきでたばこを装填し、スイッチを入れる。 「確かに元学校を使ったフィールドはある」 尚登はジョッキのビールを半分ほど飲んでから口を開いた。 「でも、心霊スポットはヤバいじゃん」 言われて良は微笑む。
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