②初参戦

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このブルワリーも、居酒屋『よろずや』としては2店舗ある。 「単に飽き性だから。飲食店の経営は性に合うけど、同じ店じゃ面白くない」 カフェの次が新山下の大型レストラン『Azur(アズール)』、次に元町にある昼はカフェ、夜は音楽バーになる店舗を、そして最近になって京都に結婚式場をオープンさせたのだ。 「万が一の時も違う店なら1店舗だけって畳むとか、しやすくて気楽だなと思ったのもある」 「なるほどね」 「でもそんな風に気が向くままにあれこれやってると、あっちこっちから声もかかるわけ。騙そうとするやつもいて面倒だけど」 男女問わずあくどい者は少なくない、それも持ち前の能力で察知することはできるが。 「地域や町おこしの協力を頼まれることもあって、廃校なんか活用もその一環。尚登が本当にやりたいならマジで協力頼むかも。サバゲー会場なんて俺は知識なんて皆無だから意見もらえれば助かるし」 「もちろん」 「末吉の仕事と両立できるなら責任者も任せたい」 「んなの全然いいし末吉なんか辞めるし」 尚登はなんとも気楽に答えた。
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