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「それは軌道に乗ってからの方がいい。俺だってなんでも成功させてきたわけじゃない」
と失敗例を挙げてみようと思ったが思い当たらなかった、無理そうだと思えば企画段階でやめてしまうからだ。
「陽葵さんに苦労かけたくないでしょ」
良に言われ、首を横に振ったのは陽葵だ。
「私は、別に……」
頬を染めてまでの言葉に、良はにこりと笑う。
「尚登と一緒なら、どんな苦労も、ってとこ?」
陽葵はさらに頬を染めて小さく頷いた。
「まあ、力強いサポーターはいても兼業を勧める。広報ではあえて末吉の名は出さずにって方向にすればいいだけだ。尚登も目立つから多分多方向から言われることになるだろうけど、俺からも末吉は関係ないって言うし、でも末吉から苦情があったりして」
「んなもん、気にしなくていい」
文句を言われれば、本当に会社を辞める口実にするだけだ。
「まあともあれ、まだ全然企画段階だ。さすがにサバゲーは、なんて言われるかもしれないんで、進捗状況は知らせる」
「楽しみにしてる。でも年単位で待たされたら、俺、アメリカ行っちゃうかも」
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