⑤結婚準備、始動

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⑤結婚準備、始動

土曜日、12時にはホテルへ行ったのは、レストランで食事を済ませるためだ。 おいしい食事に舌鼓を打ち、ゆったりと時を過ごして待ち合わせの時間にフロントへ向かった。 支配人は既にフロントで待ってくれていた、陽葵たちの姿を見てすぐに笑顔で迎えてくれる。 「お待ちしておりました」 こちらへと案内をしてくれたのはウェディングサロンだ。開け放たれたドアから入ればたくさんの丸テーブルがあり、他にも相談をしているカップルがいる。 こちらへと案内されたテーブルへ向かう、陽葵の椅子は支配人が引き、別の男性がやってきて尚登の椅子を引いて座らせてくれた。 「ただいま、係りの者を呼んでまいります」 支配人が深々と頭を下げ一旦その場からいなくなる、まもなくひとりの女性を連れて戻ってきた。 姿を見て尚登がすぐに立ち上がる、陽葵も慌ててそれに倣った。 「お待たせいたしました、ウェディングプランナーの菊田です」 支配人が紹介すれば菊田は優美な仕草で会釈をし、名刺を差し出す。 「菊田珠江と申します。この度はおめでとうございます。末吉商事のご子息と聞いて、ご結婚のお手伝いを仰せつかったこと、嬉しく思うと同時に身が引き締まる思いです」
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