⑤結婚準備、始動

4/17
前へ
/198ページ
次へ
「今日は六百人ほどご招待しての披露宴ですのでかなりテーブルは空いていてガラガラに見えますね、千人となりますともう少し埋まりますから見栄えもよろしいかと」 そんなことを菊田は尚登に体を寄せるようにして言った。瞬間尚登は気分を害する、距離感が異なる人間は苦手だ。 「──陽葵はどう思う?」 すぐさま陽葵の肩を抱き寄せて聞いた、陽葵は素直に素敵だと思うと感想を述べる。 「もう一部屋がこちらですわ」 菊田は何も気づかずに別室を案内する、そちらは鍵がかかっており、菊田は鍵の束から探し出しその部屋を開けた。 「こちらは木目を基調としたお部屋です、イメージは貴族の邸宅です」 中を覗き込み、陽葵は「わあ」と声を上げていた。 黒味が強い木製の柱や梁はは落ち着いて見えた、こちらも大きな窓があるがその木目がいいようにトーンダウンをしてくれているようだ。絨毯も先ほどの部屋はやはり白が基調だったが、こちらは緑に近く、自然を感じられ好印象だった。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

376人が本棚に入れています
本棚に追加