⑤結婚準備、始動

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「挙式は大安の日の午前、午後に披露宴を行います。二日目の披露宴は赤口となりますので、お日にちを空けて翌々日の先勝や友引までずらすことも提案しましたが、国井さまはお昼前後ならば吉だからと構わないとおっしゃっていたので、11時から13時でお取りしております、よろしいでしょうか」 「よろしいもなにも、そこに俺たちの決定権はないようなので。そもそも俺は六曜は気にしてないし」 菊田はにこりと微笑んだ。 「ご本人が気にしないのならば、それが一番です。しかし一般的には赤口は仏滅の次に慶事は避ける日となっているため、わたしくどもでも少しでも気持ちよく挙式していただきたいとお金の面などで優遇しております、今回も適用させていただきますね。それでも館内は空いていてゆっくり過ごせて快適かもしれません」 大安と仏滅くらいしか気にしたことがなかった陽葵は感心しきりだ。 「六曜は気になる、でも記念日や誕生日に合わせた日に挙式したいのに赤口だわという方は、入籍は前後の大安の日にするという方もいらっしゃいましたね」 「ああ、入籍ねえ。とっと入れるか、別にいつでもいいし、後回しにする意味もないし」 尚登は陽葵の頬に顔を近づけて言った、陽葵は恥ずかし気に微笑む。 「最近はあらかじめ入籍していらっしゃる方が増えましたね、以前は挙式の当日という方も多かったですけど」
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