⑤結婚準備、始動

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「今回は伝統にのっとった和婚でと伺っておりますので、花嫁さまは真っ白な白無垢で挙式がよいですかね、色打掛を合わせる方もいらっしゃいますけどね。色打掛や引き振袖は披露宴がよいかもしれません。和婚ですとお色直しで白に近いドレスをお召しになる方もいらっしゃいます、カラードレスと合わせてご検討なさるといいと思います。注意点としてはお色直しの回数が増えるほど、お金と時間をちょうだいすることになります、でも、せっかくですもの、納得がいくまで思う存分やりましょうっ」 菊田は言いながら不幸になれと思い、金なら高見沢家ならばいくらでも払うだろうと舌を出す。 「ドレスと違い、お着物ですとサイズの幅が広いのでまず陽葵さまに合うものはあると思います。こだわるとしたら柄くらいでしょうか、どのようなものがあるのか一度ご覧になるのもいいかと思います」 言われて陽葵は頷いた、確かにおおまかには判るが、よく見たこともない。 「尚登さまは黒紋付羽織袴となります。こちら、通紋(つうもん)でレンタルのご用意はありますが、お父様が挙式された際、高見沢家の紋が入った物があったと聞き及んでおります」 「へえ、そうなのか」 言いながら高見沢家の家紋はなんだったのか、見たような気もするが思い出せなかった。
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