⑤結婚準備、始動

15/17
前へ
/202ページ
次へ
「2か月前、年末なるといよいよですね! 料理の内容やウェディングケーキを確定しましょう。それまでにご試食できる機会は作りますので、ぜひ召し上がってください。料理は大まかにはフレンチか懐石かになりますが、挙式が神社式だったからと言って懐石にこだわることはないと思います。ケーキも数種類からお選びいただけますので、おふたりのお好きなものを選んでください、形もいろいろですよ、四角かったり、昔ながらに何段も積み重ねたり。こちらも試食できますので楽しみにしてくださいねっ。まだまだ決めることはあります、引き出物やゲストカード、受付の演出など、このあたりはまた近くなったらお知らせします」 項目をボールペンの先で示しながら言われ、はい、ぜひ、と言ったのは尚登だ。いくらなんでも1年先の予定を細々と言われても覚えきれない。 「ひと月前には全てが決まり、あとは当日を迎えるのを待つ感じにしたいです。もちろん変更可能なこともございます、逆に絶対変えられないこともありますが、なんなりとご相談ください」 定型句だが、客よってはこれを真に受けて間際までああだこうだという者がいるのはいら立ちは隠せない、それでも笑顔で続ける。 「一生に一度のことです、おふたりが満足いく式にできるよう、全力を尽くします」 尚登も陽葵もよろしくお願いしますと頭を下げた。一生に一度のこと、それに間違いはない。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

382人が本棚に入れています
本棚に追加