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①尚登と良
神奈川県内にあるサバイバルゲームの施設に、すっかり準備を終えて高見沢尚登と藤田陽葵、そして相原良太の三人がスタートラインに立つ。
ブルワリーを中心に起きた事件で尚登と良はすっかり意気投合し、尚登がどうしてもと誘ったのだ。
☆
「銃は何持ってんの? 見せてよ」
尚登が声をかける、ブルワリー直営のレストランのカウンターで横並びに座っていた時の会話だ。この時が初対面だったが、社交的なふたりだ、すぐにその距離は縮まった。もっとも実際には間に女性がふたり座っている。尚登の婚約者の陽葵と、ブルワリーのオーナーの恋人の斎藤あかねを挟んでになる。
「さすがに持ち歩いてはないです、邪魔ですから。ホルスターだけで気分を味わってます」
良は笑顔で答える。本当のことなど言えない、人を射殺せる道具を持っているなど。
「もう、敬語なんていいって。気楽に行こうぜ」
尚登も笑顔で言う。
「いやいや。天下の末吉商事の副社長さんを相手にしては」
「肩書きを気にするのは仕事上だけで充分、ましてや親からもらった肩書きだ、本当に気にしてほしくない」
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