24人が本棚に入れています
本棚に追加
建国するにあたって
「俺も詳しくは聞かされていないんですけど、それが条件で父親であるカルム伯爵は、カルム領をカルム国として認め、尽力することを約束したんだと思います」
「・・・・・・」
「父はカルム国が出来たら、元老院で役職に就くと言ってました。キース様は、エリオット様を探しているのでしょう? あの2人のどちらかだったら、不味いかなと思いまして」
「そうよね。あの2人の内のどちらかという可能性もあるわよね」
「それにしても、ジェイドはどこまでいってもジェイドよね。もともとのネモフィラ嬢が、どんな性格だったのか知らないけど、私にはジェイドにしか見えないわ」
「ネモフィラ嬢は、普段は奥ゆかしい女性なのですが、学友の内のどちらか1人なんて選べないって思って悩んでたんです。どっちも選べないなんて、俺からしてみたら贅沢な悩みですけどね」
「立ち入ったことを聞くけど、奥ゆかしい女性が、そんな感じで大丈夫なの?」
「あ!!」
「今度は何?」
「思い出しました!!」
「・・・・・・何を?」
私は嫌な予感がしつつも、ジェイドに聞き返した。今、知らなくてもいいことなのかもしれないが、いずれ聞かなければならない話だろう。ほとんど直感的にそう思った。
「この世界観、どっかで聞いたことあると思ったら、従兄妹のノンちゃんから聞いたゲームの内容と一緒です」
「もしかして白薔薇の第3シリーズ?」
「違います。ノンちゃんは腐女子だったので、乙女ゲームなんか、やりません」
「まさか・・・・・・」
「はい。BLゲームです」
私は、まさかの展開に眩暈がしそうになりつつも、聞き返した。
「えっと、オメガバース設定の?」
「いえ、そちらではありません。えーと、『Dom/Sub』って言うんですかね?」
「あ、そっち・・・・・・」
私は前世でハマっていた『Dom/Sub』吸血鬼シリーズのBLゲームを思い出していた。
「どんな内容なの?」
「俺はやってなかったんで、あんま覚えてないんですけど、確か主人公がアーリヤ国の王子で・・・・・・。相手役が騎士と宰相、それから商人と魔術師・・・・・・。だったような? はっきりと覚えてないんです。間違ってたら、すみません」
最初のコメントを投稿しよう!