7人が本棚に入れています
本棚に追加
直後、一人ポカンとするあたし。いや、だって……遠目からでも分かるくらい、あたしの視界には予想だにしない光景が広がって――
その後、ほどなく琉人の姿が見えなくなったのを確認し抽選所の方へと近づく。そして、例のハチマキのおじさんに先ほどの光景について尋ねてみると――
『……ん? ひょっとして、あの兄ちゃんの知り合いかい? 姉ちゃん。いやーさっきは驚いたよ。折角1等が当たったってのに、4等のぬいぐるみと交換してほしいなんて言い出すもんだから。それも、別に限定品でもない、確かこの近くの雑貨屋にも置いてるような品物なのにな。まあ、俺からすれば断る理由もねえんだけどな』
そう、快活な笑顔で話すおじさん。そこに琉人を馬鹿にしたような様子はなく、言葉の通りただただ純粋に驚いているようで。そして、それを聞いた私は――
『……ん? どうしたんだ姉ちゃん? 随分、嬉しそうな表情して』
最初のコメントを投稿しよう!