第1話 どうして、ラブコメでは初回にパンをくわえて走るのでしょうか♪

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___王子の手紙_____ 兄さん、今日が学院の初めの日です。 修行をしてもうだつのあがらない僕に、 外の世界で勉強させてくれる機会を準備してくれて 本当にありがとうございます。 これからどんな生活が始まるか、 とてもわくわくします。 _____________ アッシュ王子はしばらく走ったあと、 建物の角で見知らぬ人とぶつかって、 しりもちをついてしまった。 ぶつかった衝撃で、相手の日傘が飛んでいき、 彼女のシルエットは突然現れた。 長い黒髪は風に舞い、(あで)やかに揺れていた。 紫の瞳は、彼女の強い意志を感じさせる。 細く形の良い唇は、無意識に微笑んでいるようだった。 アッシュは彼女の姿に圧倒され動くことができなかった。 言葉を失い、ただただ彼女を見つめていた。 ___アッシュの手紙のつづき___ でも、兄さん、 こんなきれいな人がこの世界にいるなんて、 僕は想像していませんでした。 _________________ アッシュには、時間が止まったように感じられた。
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