第14話 サイレンサーは消去する

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 ヨハンがガレスに密告した女性、アンナが連れ去られてから数日。 彼女の母親は憔悴しきって、王女のエリザに助けを求めた。 「エリザ様… お願いです… 娘を… 娘を助けてください…」 エリザは、母親の悲痛な訴えに、心を痛めた。 「必ず、アンナを取り戻しましょう。私にできることは、全てやります」 エリザは、守備隊長のガストールと、 アンナが消えたルートを洗い出す。 「ガレスは、サンフォーレに、若い女性を売り渡しているようです。 そのルートを突き止めれば、アンナも…」 エリザは、『エリザの』子供たちに、お願いをした。 彼女の目となり、耳となることをお願いしたのである。 そして子供たちの証言と、エリザの魔法探知を駆使して、 ついにティアモ近郊の廃村を突きとめることに成功した。  エリザはとガストールは廃村へと向かい、教会が親衛隊の拠点になっていることをつきとめ、電撃的な奇襲を計画した。  確かにエリザが探知魔法を発動させると、アンナと呼ばれる女性の生命反応が教会の内にあることがわかった。こちらは数は少ないが、時は一刻も争う事態だ。  教会の扉を蹴とばすとガストールは剣を構え、目に入る親衛隊に奇襲を仕掛けた。その剣さばきはまるで風のように軽やかで、門番を一瞬で斬り伏せる。  しかし、敵の数はあまりに多かった。  ガストールは必死にエリザを守りつつ戦い続けたが、次第に疲労が見え始める。 「エリザ様、このままではもちこたえきれません!」  ガストールは懸命に声を張り上げるが、その声は次第に焦りに変わっていった。エリザの背後には、既に数名の親衛隊が迫っていた。彼女の周りを取り囲むようにして、兵士たちはじりじりと距離を詰めていく。  エリザは魔法を詠唱したまま、静かに魔力を練り続けていた。ガストールが振り返ると、エリザに向けて剣を振り下ろそうとする兵士の姿が目に入った。 「エリザ様!危ない!」
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