第17話 ダンジョン的テーマパークで隠密にデートするお話♪

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 しかし、リリアは動じず瞬時に詠唱を終え、漆黒球を左手から放った。 漆黒球は暗黒竜の振り上げた爪を直撃し、前足を消し飛ばした。 竜は天井を見上げ、激昂した。 リリアは、笑みを浮かべながら、次の魔法の詠唱に入る。 暗黒竜のダークブレスが、リリアに迫る。 ブレスはリリアを貫通せずブレスはリリアの周囲にまき散らされただけに終わる。 暗黒竜の呪いを、リリアの黒魔法の呪いで打ち消したのだ。 そしてリリアは暗黒竜の視界から一瞬で消える。 リリアは、暗黒竜の背後に回り込み、無数のダークレーザーを放った。 レーザーは、暗黒竜の腹部あたりを貫通し、竜は再び悲鳴を上げる。 リリアは、己の魔力量に身を任せ、暗黒竜に容赦ないレーザーの飽和攻撃を仕掛けた。 「リリア様、こんな場所で戦うのは危険です!」 ルーナが叫ぶ。 しかし、リリアはなんともないというように、暗黒竜に魔法を放ち続けた。 アッシュたちは、リリアの圧倒的な、魔法力に畏敬の念を抱きながらも、 ダンジョンが崩れやしまいか不安を感じていた。 リリアは、物足りないというような表情をして締めの魔法の準備に入る。 ここで、暗黒竜は最後の賭けに出てきた。 暗黒竜は魔法も特殊攻撃も無理だと判断すると、 完全なる物理質量攻撃である巨大な体でリリアを押しつぶそうとした。 しかし、リリアは暗黒竜の攻撃を予測し、 短距離転移を行い、またも背後に回った。 その後、「マジックアブソーブ」の呪文とともに、 暗黒竜の魔力はリリアに吸収され始める。 ズルゥゥゥゥ!! 業の深さが、既に暗黒竜よりも強大になっているからか、 リリアはこの禍々しい瘴気を、涼しげにずるずると吸収していく。 暗黒竜はみるみる小さくなっていった。
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