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プロローグ
夏の夜空に広がる数々の光がこの世界を照らしてくれる。
山の麓にあるベンチに2人の少女がただ座っている。
「ねえ、龍ちゃん」
「ん?」
「あたしがさ、あの星空のように輝くことが出来たらどうする?」
天の川の透き通った道をなぞるように夜空に指を指す。
「ええ……急だね夏蝶。んー、じゃあ夏蝶は世界一の友達だ!って言いふらす」
「もう言いふらしてるでしょ?」
「もちろん!」
2人は談笑しながら夏の夜空を見上げていた。2人の少女の間に置いてあるお菓子を手に取りながら一時の時間を過ごした。
「夏蝶」
「どうしたの?」
「私も竜胆学園に入学したいんだけど……」
「ふふ、龍ちゃんならその頭脳でいけるに決まってるよ、なんなら海外にでも留学して飛び級したらどうかな?」
「ええー、夏蝶と一緒の学校がいいな」
「も〜。もうすぐ中学生だよ?いつまでも甘えん坊は卒業しなよ」
「えへへ〜、でも竜胆学園いきたい!」
「なら1年後、あの門で私が迎えに来てあげる。だから忘れないでね」
風に美しい長い髪がなびくなかその少女は龍鳳に向かって優しく微笑んだ。
すると少女の腰からけたたましく携帯電話が鳴り響いた。
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