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「大丈夫……これ……くら……い……まだまだ…………いけ……る!」
膝を支えながらも顔を無理あり上げ、ガタガタと震える右手でグッドサインを表した。
龍鳳は何とか少女を支えてあげようと近づくが徐々に息を整える姿を見て手を引いた。
「じゃ、龍鳳。今日はありがとう、いい星空が見えていい思い出のまま今日は解散!」
「了解!……あれ?夏蝶はそのまま帰るの?」
「うん、さすがに大人しく歩いて帰るよ。迎えも来てくれるからさ」
「じゃあここで待っててもいいじゃん」
「そうだね。でももう待ち合わせがお父さんの方から言われちゃったから。珍しいよ、いつもは龍ちゃんの家かその場所まで迎えに来てくれるのにわざわざ待ち合わせ場所に私が行くなんて」
「あはは、それは夏蝶が悪い子だから怒っちゃったんじゃない?」
「ええ〜今日は星空が綺麗だったもん。ま、門限守らなかった私のせいだしね。そろそろ行かなくちゃ」
「ばいばい夏蝶!!」
優しく微笑むその少女は儚く、龍鳳はそんな彼女が大好きで大好きで仕方がなかった。
──また、会いたいな…………。
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