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第1話 やっぱり来るところ間違えました。
「いーーーやーーーーだーーーーー!!!!」
朝っぱらから病室で駄々をこねている奇妙な瞳で左右とも形と色が違う少女の名は衣笠龍鳳。
「ほら行きますよ、お嬢様」
その彼女を引っ張り出すように呆れ顔をしながら手こずっているメイドの格好をしているのは夜宵。
「いや!」
「嫌じゃないです、恨むなら国に恨んでください」
「私の青春は!!?たくさんのエキストラな人が集まるあの夢の学園は!?」
「そんなものはあなたの行く先では無かったです」
「嘘だぁ!だって私ちゃんと合格の掲示板みたもん!!」
確かに4年前私は私立竜胆学園の合格を門の掲示板で見た記憶がある!…………あれ?
4年前…………今私……何歳?
「お嬢様、たとえ舞桜高校に来ることはなくても、あなたはもう時効になってる上17の年に迎えているのですよ」
「私の4年間の人生は!?!?」
「それは……まあ、話すと長くなりますのでいずれそれはあなた自身が思い出したら…………いや、思い出さなくていいです」
あの狂った人格と殺し屋の人格の記憶なんてもう綺麗さっぱり吹っ飛んだ。そのまま戻ってくれない方が無難だがな。
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