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「え、じゃあ外は危険ってこと?」
「いえ、どちらかと言えば地下なのですが」
「地下!?!?!?」
彼女は地下の殺し屋本部であるSilentRavensの基地すらも忘れているようだった。
「とにかく、南雲さんが待っているので行きますよ」
「別に、少し遅れたって"麗華"さんなら許してくれる……あれ?」
「おや」
南雲麗華なんて少女は知らないはず……いや、記憶がなくても脳は保存していた?
「どうやら、あなたの体は正直なようで。向こうに着いたら住めば都、色々と思い出すかもしれませんよ」
「うぅ」
渋々眉を細めながらも龍鳳はようやく決心して外に待機していた黒塗りの車で特定のルートでしか行けない舞桜高校へと向かった。
◇
人生でこんな経験は多分私だけだろう、今の私は正常…………に戻ったらしいけど日常は結局異常なまま……なぜなら。
「おい、身分証を出せ」
「は、はい…………」
今私は青と白色のジャージを着てヘルメットを被っている女の人に銃を向けられているのだ。
夜宵は別件で門の離れたすこし後に車を止めて私を下ろしてくれたのだけど、今はそんなことよりもスカートのポケットの中に入っている手帳を震える手で門番に見せた。
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